石井成兒デジタル美術館

河瀬蛙友の部屋Ayu Kawase Gallery

千葉県水墨会会長を務める河瀬蛙友を紹介するページです。
水墨画の普及に尽力する傍ら個人としての活動や実績を掲載しています。

河瀬 蛙友(かわせ あゆ)

水墨画家
1943年東京都墨田区生まれ
千葉県立千葉東高等学校卒業
石井成兒美術館館長
千葉県水墨会3代目会長

河瀬蛙友

父の教えと水墨画のあり方

父・石井成兒に師事し本格的に水墨画を学ぼうと決心したのは、箱入り嫁となって育児や家事に奮闘していた7年目の頃でした。
幼少時代から父の絵に囲まれながら育った私にとっては、ごく当たり前の希求だったように思います。
「自分の好きなことをしたいなら、やるべきことをしっかりやってからする」が父の持論だったため、水墨画を始めてからは主婦業も楽しくなっていきました。
絵を描くことで毎日が楽しく張り合いがあり、今に至っています。

水墨画だけに限ったことではありませんが、墨は「心が濁れば墨も濁る」「心が歪めば墨も歪む」というように心がそのまま表れる、とても怖い存在です。
ある日、父に「どうした?おかしいね」と問われ、私の心はすぐに見透かされます。
「心の膨らみと共に絵は上達するもの」
「技術は時間と共に自ずと磨かれるもの」
「心は優しく素直に暖かく持つことで大きくなるもの」
自分に厳しい人は人に優しくできるのだと、難しい言葉を使わず優しく諭す父でした。
絵を見れば全て見透かされるため、自分に厳しくできない私にはたいへんな日々でした。

水墨画に対する姿勢としていえることは、感動したものを真心を込めて一心に描くことだと思っています。
上手に描こうとか、あの人より上手く描こうとか、そういった邪心を捨てて無心に描くことです。
そうすれば自ずと美しい水墨画に仕上がるのだと信じています。

河瀬蛙友の経歴、主な活動・実績

1943年

7月13日誕生(東京都墨田区押上にて)

1962年

千葉県立千葉東高等学校卒業

幼少時代から趣味感覚でキャンバスを作るところから油絵を教わる

1971年

TBS美術プロデューサーの河瀬洋男と結婚、1男1女をもうける

1978年

父である石井成兒に師事し、水墨画を本格的に始める

1979年

国画院展(国画院主催)に初出品(~1983年)

1980年

第4回墨の県展(千葉県水墨会主催)に初出品、以後毎年参加

1984年

第1回近代水墨展に出品、第24回まで毎年参加(~2007年)

1985年

第1回父娘展(蛙友、千葉三越画廊にて)

1987年

第2回父娘展(よし子・蛙友、千葉三越画廊にて)
石井成兒とともに水墨画を展示、2歳上の姉 よし子は鷲羽彫り職人として盆用品や手鏡などを出品

1989年

第13回墨の県展で最高賞である墨の県展賞受賞

第3回父娘展(よし子・蛙友、千葉三越画廊にて)
石井成兒とともに水墨画を展示、2歳上の姉 よし子は鷲羽彫り職人として盆用品や手鏡などを出品

1991年

第8回近代水墨展で大賞受賞

1994年

墨の県展副会長就任

1995年

信州鹿教湯温泉 鹿鳴荘に「薬師堂」を寄贈

1996年

千葉県津島市の佐藤家に襖絵「頤和園」を作画提供

1997年

千葉県千葉市の湊家に襖絵「頤和園」を作画提供

1999年

千葉県市川市中山にある法華経寺の客殿(現在の本院)に襖絵「遥かなる道」(ベゼクリク千仏洞)を作画し奉納(4月15日)

2008年

千葉市立海浜病院に「オペラハウスを望む」を寄贈

2011年

千葉県水墨会3代目会長と墨の県展4代目会長に就任

現在に至るまで千葉県水墨会の運営を行う傍ら個人としても作画活動を行っている

2016年

千葉県佐倉市坂戸にある西福寺の本堂に襖絵「蓮」を作画、奉納(11月3日)

千葉市生涯学習センターに「ウルル」を寄贈

2017年

千葉市生涯学習センターに「城ヶ崎海岸」を寄贈

2019年

千葉市生涯学習センターに「弁天様」と「石垣の海」を寄贈

2021年

千葉県消防学校に「マングローブの入り江」などを寄贈

2022年

千葉中央郵便局に40号の「冬陽(弁天様)」を寄贈(5月)

襖絵「敦煌莫高窟・三危山」を作画、法華経寺の本院(千葉県市川市中山)に奉納(8月30日)

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    水墨画を始めた頃
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    墨の県展賞受賞(1989年)
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    近代水墨展で大賞受賞(1991年)
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    額装画「ウルル」(2016年)

河瀬蛙友の主な作品一覧

襖絵「頤和園」「すすき野」

1996年、津島市の佐藤家に襖絵「頤和園(いわえん)」「すすき野」を作画提供

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襖絵「頤和園」

1997年、千葉市の湊家に襖絵「頤和園(いわえん)」を作画提供

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法華経寺の襖絵「遥かなる道」

1999年4月15日、千葉県市川市中山にある法華経寺の客殿(現在の本院)に襖絵「遥かなる道」を作画し、奉納しました。

仏教遺跡「ベゼクリク千仏洞」を表現し、ベゼクリクとは美しく飾られた家という意味でその昔はそれは美しい仏教の聖地だったといわれています。
今は長い時の流れに加えてイスラム教地域のためその破壊は凄まじく、仏様の目は悉くといっていいほどくり抜かれています。
また、列強の国々が調査を名目に壁画を大規模に剥ぎ取って持ち帰ってしまったため、壁面の荒れ方は目を覆います。
鳩摩羅什も玄奘三蔵もこの地の王に深く支援されて壮絶な修行を行い、遙かインド・シルクロードを経て今日、日本の仏教があります。

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西福寺本堂の襖絵「蓮」

千葉県佐倉市坂戸にある西福寺には33年に一度行われる「大十夜」(おおどうや)という踊り念仏(県指定無形民俗文化財)が伝承されています。

2016年11月3日、この大十夜に合わせて蓮をモチーフに西福寺本堂の襖絵を描かせていただき、奉納しました。

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法華経寺の襖絵「敦煌莫高窟・三危山」

莫高窟は4世紀中頃に1人の僧侶によって最初の窟が穿たれたことに始まります。
シルクロードの中にあり仏教の伝来と共に美しい仏教都市として栄え、滅び、近世になって眠っていた莫高窟の遺跡が発見されて脚光を浴びる事に成ります。
遙かなる時間と道を通って今日、私達の心に深くある仏の教えの殿堂です。

2022年8月30日、千葉県市川市中山にある法華経寺の本院に襖絵「敦煌莫高窟・三危山」を作画し、奉納しました。

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墨の県展

第4回墨の県展に初出品し、以後毎年参加

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国指定民族工芸品の房州うちわ

房州うちわは、京都の「京うちわ」や四国の「丸亀うちわ」と並ぶ日本三大うちわの1つです。
喜多川歌麿の浮世絵「寛政三美人」などにも描かれている昔からある日用品で、2003年に千葉県初の経済産業大臣指定伝統的工芸品に認定されました。
団扇用の紙に描き、認定伝統工芸士である太田美津枝さんが仕立ててくれたものです。
墨の県展でも会員による多くの房州うちわ作品を展示しています。

※写真中央は墨の県展での展示風景、写真右は仕立て前の会員たちによる作品

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